「ドル円(USD/JPY)」とは、FXで最も取引されている通貨ペアのひとつです。

・USD(United States Dollar)=米ドル
・JPY(Japanese Yen)=日本円

米ドルと日本円を交換する通貨ペアです。


ドル円の基本

ドル円の表記方法は、「USD/JPY」

1ドル=150円なら「USD/JPY=150.00」となります。

日本円が「後ろ」についているので、米ドルが「基軸通貨」で日本円が「決済通貨」となります。

ドルを基準にして円で価値を表すイメージです。


ドル円の特徴

世界で最も流動性が高い通貨ペアの一つとなっています。
米国と日本は、経済規模が非常に大きく、ドルは基軸通貨で円は安全資産として知られています。

主な特徴としては、
・日本の金融政策や金利の影響を強く受ける
・米国の経済指標に敏感である
・リスク回避時に円高になりやすい

「ドル円」がいくらで取引されているかで、世界の投資家・企業の輸出入取引にとって重要な指標となっています。

ドル円の歴史的な流れ

1940〜1970年代前半(戦後の固定相場)

第二次世界大戦後(戦後)、連合国による統制によって為替レートは段階的に固定されました。
・1945年は約15円
・1947年にはインフレの影響で一時600円に下落
・1948年に270円
・1949年〜1971年は1ドル=360円の固定相場となっています。

1971〜1973年(変動相場制への移行)

そして、1971年の「ニクソン・ショック」により一時変動相場制への移行となりました。
その後スミソニアン合意で308円へ調整。
1973年には完全に変動相場制へ移行となっています。

1970〜1990年代前半(円高局面)

その後は、円高局面が進行

1978年:エネルギー危機で180円程度へ円高進行。
1985年:プラザ合意により円高進行し約250円から160円に。
1986〜1988年:さらに円高が進んで、約120円にまで円高。
1995年:戦後最高水準の円高で79円台を記録
1997年:アジア通貨危機の影響で一時147円へ戻る動きもありました

2000年代〜現在(円安への転換)

2004年:日本銀行が積極的な為替介入を控えることにより、トレードが活発化し円安に寄与
2010年:ユーロ危機もあり急速な円高が進行。
2012年:アベノミクス開始から(2012〜)量的緩和の影響で再び円安進行で105円前後に。

ここ最近では、円が大きく下落して145円〜161円と非常に円安が進んでいます。
2024年7月には約161円と1990年代半ば以来の円安水準となりました。


年次平均の推移(1980〜2025年)

1980年以降の年次平均レートの推移は、
1980年 約226円
1990年 約100~140円  
2000年 約80~120円前後
2020年 106円
2021年 110円
2022年 131円
2023年 140円
2024年 約148〜151円
2025年 約148〜151円


歴史から見るポイント

・固定相場から変動相場へ
1971〜1973年にかけてドル円体制の大転換

・プラザ合意以降の円高
1985年以降、輸出を主とする日本経済に大きなインパクト

・キャリートレードと金融政策
2000年代以降、日本銀行の金融政策により円が世界的に安い通貨として扱われる時期もある

・近年の円安、介入の可能性
2022〜2025年の急激な円安に対し、日本政府や日銀による為替介入もある